『埋忠刀譜』複製プロジェクト

Project

「埋忠展」開催記念
名刀の記録がよみがえる! 押形集(刀剣書)『埋忠刀譜』複製プロジェクト

特別展「埋忠<UMETADA>桃山刀剣界の雄」が開催されるのに合わせ、本展に出品される『埋忠刀譜(うめただとうふ)』(刀剣博物館)を、クラウドファンディングにより、複製するプロジェクトです。


お気に入りの刀剣の姿をさらに深く知るために。様々な名刀を収めた事典のように使うのに。刀剣愛好家の手元に欠かせない一冊です。


ご自分用にお届けする1冊コースのほか、「1冊はお手元に、1冊は公共図書館に献本して、広く世間に刀剣の魅力を伝えるコース」を設定しています。お申し込みは大阪展開幕の2020年10月31日から受け付けします。


ぜひご協力をお願いいたします。

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埋忠刀譜

埋忠刀譜とは

『埋忠刀譜』とは一般に「埋忠銘鑑」と呼ばれる作業記録です。


中でも、刀剣博物館が所蔵する『埋忠刀譜』には、埋忠家が江戸時代初期の慶長10年(1605年)から万治3年(1660年)にかけて仕事の依頼を受けた名刀について、ほぼ原寸大で精密に描かれた(なかご)図を中心とした様々な刀の絵図が、おおむね依頼を受けた年代順で記載されています。


『埋忠刀譜』は、原本の字配り・書風までも真似て写してある、最もオリジナルに近い内容で、しかも、ページに欠けの無い状態で伝わっている唯一の写本です。さらに、職人たちが書き入れた注記は、その刀に関する貴重な情報源でもあります。


これまでも、写本が復刻されていなかったわけではありませんが、いずれも現在では絶版となり、簡単に入手できる本ではなくなってしまいました。また、過去に復刻された写本については、原本の配列を大きく入れ替える変更があり、写し間違い、注記の省略、絵図の変形などの問題点が少なくないことも判明しています。

 

今回復刻する『埋忠刀譜』は、その刀剣博物館所蔵本の複製本です。サイズも原寸大、B4サイズ(タテ約36cm、ヨコ約26cm)相当の大型本です。


従来の復刻本は図版のみの複製か、もしくは図版に全体解説を付け加えただけのもので、絵図に書かれた刀の銘や、その横に職人たちが崩し字で書き入れた注記は、読者が自分で解読するしかありませんでした。


今回、こういった刀の銘や注記も活字にして、記載します。これにより、崩し字の知識が無くても、名刀の来歴や所持した人物、埋忠家や親密な関係にあった本阿弥家など、当時の日本を代表する腕利き職人の活動状況といった、様々な情報を知ることができるようになります。これらは一覧表形式で掲載し、簡単な解題と刀工索引をつけて掲載します。


一覧表と刀工索引によって、お目当ての刀剣の情報を手早く調べ、その刀はどのページのどの図版か、簡単に確認することができます。

製作中のページ

失われた名刀も掲載

名物刀剣・号を持つ名刀だけで53口も!

時代時代に専門家の手で作られてきた名物帳(名刀リスト)に所載された超一流の有名刀剣だけでなく、名物帳には無くても、様々なエピソードを持ち、愛称をつけられて親しまれてきた刀剣も幅広く収録されています。


しかも、現在では行方不明になった名刀も収録されています。この記録でしかその姿を知ることは出来ないという刀も、少なくないのです。 おなじみの名刀でも、現在とかつてで姿が変わっている、という例もあります。


刀剣界における埋忠家の役割を知る上でも、名刀の歴史や以前の姿を知る上でも、欠かせない一冊です。

収録の名物刀剣・号を持つ名刀

  • 〈宗近〉鷹巣宗近
  • 〈国次〉源来国次
  • 〈国綱〉大国綱
  • 〈吉光〉真田藤四郎、鎬藤四郎、江戸新身藤四郎、鯰尾藤四郎、厚藤四郎、包丁藤四郎、包丁藤四郎
  • 〈当麻〉村雲当麻
  • 〈行光〉大島行光
  • 〈正宗〉観世正宗、堀尾正宗、大坂長銘正宗、夫馬正宗、右衛門正宗、八幡正宗、大黒正宗、池田正宗、九鬼正宗、桑名(中務)正宗、江戸長銘正宗、菖蒲正宗、小田原正宗、金森正宗、道意正宗、若狭正宗、岡本正宗、石野正宗、対馬正宗、前田正宗
  • 〈貞宗〉太鼓鐘貞宗、池田貞宗、寺沢貞宗、長銘貞宗、長銘貞宗
  • 〈長光〉日光長光、朝倉長光、青屋長光
  • 〈青江〉にっかり青江
  • 〈三原〉大三原
  • 〈行平〉矢の紀新大夫
  • 〈左〉常陸左文字、山田左文字
  • 〈兼氏〉安宅志津
  • 〈義弘(郷)〉稲葉江、増屋江、鍋島江、桑名江、蜂屋江、上野江、長谷川江

推薦の言葉

『埋忠刀譜』複製本発刊を喜ぶ。(佐野美術館理事長 渡邉妙子)

佐野美術館理事長 渡邉妙子

九州産業大学准教授 吉原弘道先生の監修による『埋忠刀譜』複製本が出版されることになりました。吉原准教授は、古文書学的視点から「観智院本銘尽」の整序研究、次いで「龍造寺本銘尽」の発見により、両書の比較研究によって刀剣の鑑定書誕生の謎に一条の光を当てられました。この度、吉原准教授監修により、『埋忠刀譜』が復製発刊されることは、刀剣界のみならず、中世武家政権の歴史研究にとって、大変有意義な資料提供になることと思います。金工を本職とする埋忠家は、鑑定・研磨を本職とする本阿弥家と共に、新興大名の名刀収集と名刀を名刀たらしめる折紙、無銘刀剣への名工の金象嵌、鎺や刀装具の飾り金具の整備などに尽力しました。外部には内密にされていた依頼を受けた武将たちの名、仕事の内容、価格などの手控帳が即ち『埋忠刀譜』なのです。


一頁開いたら、最後まで頁をめくりたくなることでしょう。

"令和版・埋忠銘鑑"の実現を応援します。(大阪歴史博物館学芸員 内藤直子)

このたび、特別展「埋忠」の開催にあわせ、刀剣博本『埋忠刀譜』の複製本の刊行が具体化したことを、同展担当者として心よりうれしく思います。これまで『埋忠銘鑑』を参照するときに感じていた不便さが解消された、安心して使える基礎資料として書棚に1冊備えておきたい良書であり、令和の刀剣研究に必携の書となることが期待されます。監修の労を賜りました吉原先生をはじめ、関係各位に感謝申し上げますとともに、今回のクラウドファンディングが学術支援の良い先例となりますよう、皆様からのあたたかいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

プロジェクトに関するお問い合わせ

読売新聞大阪本社 文化事業部 電話06-6366-1848(平日10:00~17:00)